14:新しい片頭痛頓挫薬ラスミジタンについて

 本年(2022年)6月から片頭痛の新しい頓挫薬が20年ぶりに発売されています。一般名はラスミジタンコハク酸塩、商品名は「レイボー」といいます。
 今まで片頭痛頓挫薬として第一選択で使われていたトリプタン系薬剤の親戚のような薬です。
 
 トリプタンは主にセロトニンの1Bと1Dと言われる受容体の作動薬で、血管収縮作用を備えており即効性がありましたが、今回発売されたラスミジタンはセロトニン1F受容体に作用し、神経炎症を抑えるとされています。
 
 実はトリプタン系の中にも1F受容体に作用する薬はあったのですが、主な作用としては1B/1Dの血管反応を抑える方が強いとされていました。その為、血管が収縮しては困る疾患、すなわち狭心症や心筋梗塞、脳梗塞、高血圧などの疾患をもつ方には使えないという不利な点がありました。
 この点ラスミジタンには血管収縮作用はないとされており、トリプタン系薬剤が使えない方にも安全に服薬していただける利点があります。
 またトリプタン系薬剤で効果がなかった方にも有効性は確かめられているようです。
 
 副作用としては、眠気、めまい感、浮腫などがあり、使用説明書には車の運転をする場合は使わない様にとの注意書きがあります。
 また血管収縮作用がない分やや効果発現が遅いようで、トリプタン系と比べると1時間後の有効性はやや劣っています。
 価格的には通常内服容量(1日200mgまで)の50mg錠が325円程度、100mg錠が570円程度であり、トリプタン系は後発品が200円前後ですのでやや割高です。
 
 また発売から1年以内は2週間投与が原則ですので、暫くは少ない量での処方になると思いますが、血管収縮作用による絞扼感もないとされているため、今までトリプタン系の使えなかった片頭痛の方には朗報だと思います。
 
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