:ようこそ、頭痛外来へ

 頭痛は、なじみのない方もいると思いますが、多くの方が一度は経験されているでしょう。
 風邪をひいて熱が出ると頭痛が起きますし、二日酔いで頭痛がするなども経験された方は多いはずです。
 大体は休息をとって2,3日もすれば治まるのが普通です。
 でも、もしそれが1週間、2週間と続くと、もしかしたら頭の中に何か起こっているのではないかと不安になると思います。 
 
 Aさんは30歳代の女性ですが、ここ数ヶ月、朝起きると頭痛がすることが多くなりました。
 以前なら市販薬を飲むとすぐ治まっていたのですが、最近では薬を飲んでも効かず不安になり、脳神経外科の病院を受診しました。
 病院では脳の検査を行って異常がなかったため、薬もくれませんでした。
 脳に異常がないから我慢するしかないかと思いますが、それでも頭痛が続き日常生活に支障をきたしています。
 原因が分からずAさんは途方に暮れてしまいました。このような場合どうすれば良いのでしょうか。
 
 筆者が頭痛外来を始めた2002年当時はまだ頭痛外来は珍しく、全国でも幾つかの病院で頭痛専門の外来を設けている程度でした。
 開業に際して脳外科医としての経験から、原因のわからない慢性頭痛の患者さんを、他方面から時間をかけて診察する専門外来の必要性を感じ、頭痛外来を標榜しようとしましたが、厚労省が標榜科の制限をしているため公にはできませんでした。
 
 たまたまインターネットのホームページで慢性頭痛を専門に診ることを公表したところ、短期間に多くのアクセスがあり、どこへかかったら良いか分からない、という質問も数多く寄せられました。
 疫学調査では全国に少なくとも慢性頭痛に悩んでいる方が3000万人以上いるとされており、病院にかかって満足な治療を受けている方はその1割に満たないとされています。
 このような状況のひとつの原因は、どこで頭痛を専門的に診ているかが一般の方々には分からないという現実があります。
 
 人間一人ひとりの遺伝子や育った環境に培われた性格が違うように、痛みの感じ方、表現の仕方も一人ひとり異なります。
 なぜ慢性の頭痛を感じるようになったか、なぜそれを毎日薬で紛らわさなければならなくなったかを診断し、適切な治療をするのが頭痛外来です。
 言い換えれば一人ひとりに合ったオーダーメイドの頭痛治療を行うのが頭痛外来ということもできます。
 
 幸い、2005年から日本頭痛学会が頭痛専門医の認定を開始し、2020年現在では頭痛専門医が全国に950名程います。
 慢性頭痛に悩まされている皆様には朗報だと思います。
 頭痛専門医の所在につきましては日本頭痛学会のホームページ(Lesson3)をご参照下さい。
 
 
 
 
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