慢性頭痛チェックリスト
1.今回はいつ頃から痛くなりましたか?今も痛いですか? 2.以前はこのような頭痛はありませんでしたか?何才くらいから始まりましたか? 3.頭のどこが痛いですか? 4.どのように痛みますか? 5.頭痛の頻度はどれくらいですか? 週1~3回 ほとんど毎日 6.頭痛はどのぐらいの時間続きますか? 7.視野の外側にぎざぎざの光(きらきら光るもの)が見えたり,視野が一部白くなって見えなくなったり,物がゆがんで見えたりしたことはありますか? 8.頭を動かしたり,下を向いたり,息んだりすると頭にがんがんと響きますか? 9.頭痛のときよく吐き気がしたり,実際に吐くことはよくありますか? 10.頭痛の時に音や光や臭いが我慢できないくらい強く感じることがありますか? 11.頭痛とともに鼻水や涙が出て止まらないことはありますか? 12.眼の奥が痛かったり,眼が疲れやすいことはありますか? 13.頭痛は朝起きるときが一番つらくてだんだんよくなるとか,夕方になると頭痛がひどくなるなど,1日の内で変化しますか? 14.風呂に入ったり,お酒をのんだりすると良くなりますか,かえって悪くなりますか? 15.頭や首のけがや肩をわるくしてから頭痛がし出したわけではありませんか? 16.鼻や耳の病気(蓄膿や中耳炎など)はありますか? 17.両親,祖父母,兄弟などに頭痛もちの人はいますか? 18.いつも頭が痛いとき薬を内服しますか? (どのようなものをどれだけ内服するか書いてください) 19.頭痛のためにどのくらい日常生活の質が落ちていますか? あまり落ちていない 半分くらいに落ちている 全く日常生活ができない 20.いままで胸が痛くなったり,狭心症といわれたことはありますか? 薬でアレルギーが出たことはありますか? 胃腸が弱いですか? 21.その他何か気になること,聞いておきたいことがあればお書きください。
慢性頭痛チェックリスト 評価マニュアル(医療者向け) 1.頭痛のtemporal profileを聞く。だんだん痛くなっているのか,ときどき強くやむのか,以前は痛かったけれど今は痛くないのか,など。 2.年齢は片頭痛では早いうち(10才代)から始まることも少なくない。逆に緊張型頭痛は成人になってからが多い。群発頭痛は30代の男性に多い。 3.どこが痛いかと聞いて後頭部を押さえるようならまず緊張型頭痛,後頭神経痛と考えてよい。こめかみや眼の奥は片頭痛や群発頭痛。前額部や鼻の付け根,眼の周りは副鼻腔炎に伴う炎症性頭痛。耳の後ろや顎の付け根は小後頭神経痛,後耳介神経痛など。側頭部の痛みで顎関節症も多い。片頭痛で後頭動脈の拍動痛を訴える場合もあるが,多くは緊張型頭痛との混合型である。 4.ズキンズキン,ズキズキ,ガンガンなどは血管性頭痛。ズキーン,ビリッなどは神経痛。ギュー以下は緊張型頭痛。重苦しい,つらいなどはうつ状態に伴う頭痛でもよく聞く。 5.頭痛の頻度は緊張型ではいつも,あるいは何日も続けて痛いという。仕事をしたり,眼を使ったあと決まって悪くなる。片頭痛では何となく痛くなりそうで,痛くなると1日くらい続き,寝ておきると楽になる,生理と関係があり月一回,人により2~3日で繰り返す,周期性がありそうな訴えをする。群発頭痛は群発期にはほぼ連日,必ずといってよいほど頭痛を訴え外来にくる,あるいは仕事を休んで家で酸素を吸ったりじっとしている。アルコールは本来好きではないことが多い。群発期は1~2ヶ月,個人によって大体決まっている。それより早く終わらせることが出来れば,治療効果ありと考えてよい。 6.持続時間も緊張型では反復性のものが30分~7日間持続し1ヶ月に15日を越えない。片頭痛は未治療の場合4~72時間続くとされる。群発頭痛は大体30分~3時間程度ひどい痛みが続く。瞬間的にビリッと痛くなり,頭を動かしたりするたびに何回も繰り返すのが神経痛の特徴である。 7.これは片頭痛の前兆のうちもっとも有名な,鮮輝暗点について聞いたものである。これがあれば間違いなく片頭痛である。しかし稀に鮮輝暗点のみで頭痛を伴わない場合もある。この場合も片頭痛と同様の病態と考えてよい。片頭痛の予防薬で鮮輝暗点を予防できる。 8,9,10は片頭痛の特徴である。いずれもあれば片頭痛の疑いがある。 11,12は群発頭痛に特徴的な自律神経症状と眼の痛みである。眼の奥が疲れやすいというのは緊張型でもよく聞く訴えである。これは後頭神経と三叉神経が脊髄を介して交通しており,肩こりの後頭神経圧迫が三叉神経を刺激し,第2枝の眼窩枝を刺激するためだと言われる。 13.朝方頭痛が強い場合は睡眠不足の現われで,抑うつ状態による不眠症,夜間睡眠時無呼吸症候群などで見られる。早朝の強い拍動性頭痛で嘔吐する場合は脳腫瘍などの疑いもある。夕方頭痛が強くなるのは緊張型頭痛の特徴である。 14.お風呂に入ったり,アルコールを飲んだりすると楽になるのが緊張型頭痛であり,逆に体が温まると悪くなるのが片頭痛などの血管性頭痛である。 15.むち打ちやスポーツ外傷で頚部を傷め,しばらくして頭痛がおこるのは緊張型頭痛のうち,筆者が頚性頭痛型と名づけているタイプで,大半は頚部の筋・筋膜からくる関連痛であるが,中には頚椎の椎間関節が可動性をもち,周囲の関節包を刺激して頭に響いている場合もある。後頭神経が筋肉で圧迫され急性炎症を起こした状態がいわゆる寝違えであり,炎症止めの内服,外用や注射が有効である。 16.頭痛のうちで眼,鼻,耳,顎関節などから響いてくる関連痛は比較的多く,いわゆるカゼの頭痛は大体は副鼻腔(上顎洞,前頭洞,蝶形骨洞)などの粘膜の炎症による関連痛で,前額部に響く。 17.片頭痛は約4割に家族歴がある。 18.いつもどれだけの薬で対処しているのかが重要。毎日かなりの薬を飲む場合は薬剤誘発性頭痛に要注意。薬は飲んだことがないという人はよほど薬嫌いか,合理性に欠けているといえる。種類によってもそのまま継続してよいか,変更が必要かが判断の対象になる。 19.緊張型ではなんとか仕事を続けていられるひとが多いが,片頭痛や群発頭痛では全く動けなくなり仕事ができなくなる。 20.トリプタン系は狭心症や胸痛の既往がある場合には使用を控える必要がある。 |
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